ビブリオ俱楽部第7作目「始皇帝」by 塚本青史


今回は塚本青史著「始皇帝」です。

 

「キングダム」としてマンガや映画で話題の中国・秦の始皇帝の生涯を生々しく描写した歴史小説です。

 

始皇帝と呼ばれる秦の嬴政(えいせい)は、幼少期を趙国の人質として過ごしますが、商人出身で後に秦の丞相にまでのぼりつめる呂不韋(りょふい)の助けもあり、最終的には皇帝として中国全土を統一します。

晩年は不老不死に取り憑かれ、身を滅ぼしていく末路は寂しいもので、権力を欲しいままにした人間の傲慢さもうまく表現されており、アニメとは違った始皇帝を堪能できる作品です。

 

人間が環境によって化物になっていく過程は、今の社会にも通じるものです。

アニメ「キングダム」に触発された方は、違った始皇帝像を味わえますので、ぜひご一読ください。